
□平成22年05月23日
buchimaru
☞ ☞ 草深き小沼の底にいつわりの航海日誌は沈められたり [ルビ⇒ 小沼:おぬま] *連作F・五月の森では‐4/4

□平成22年05月23日
buchimaru
☞ ☞ 樹の間より鶸色の秘酒こぼれたり 紅塗り直すきみを濡らして [ルビ⇒ 樹:こ/鶸色:ひわいろ] *連作F・五月の森では‐3/4

□平成22年05月23日
buchimaru
☞ ☞ 縺れ合う森の溺死者さわさわと葉群はうねり青き香の満つ [ルビ⇒ 縺:もつ] *連作F・五月の森では‐2/4

□平成22年05月23日
buchimaru
☞ ☞ 草露のひとつひとつに船乗りの物語のせ少年奔る [ルビ⇒ 奔:はし] *連作F・五月の森では‐1/4

□平成22年01月22日
buchimaru
☞ ☞ 姫鱒の押しのけた闇 カルデラに水泡は立って 不在の化石よ [ルビ⇒ 水泡:みなわ]

□平成22年01月05日
buchimaru
☞ ☞ 螺旋塔や渡り廊下を濡らす羊歯 眠る水夫の蹠白し [ルビ⇒ 羊歯:しだ/蹠:あしうら] *連作E・埋立地にて‐3/3

□平成22年01月05日
buchimaru
☞ ☞ 四方囲む水路は澱み 薄明のつめたき庭に鴫の降りゆく [ルビ⇒ 四方:よも/鴫:しぎ] *連作E・埋立地にて‐2/3

□平成22年01月05日
buchimaru
☞ ☞ 「石ばしる垂水の」などと赤錆の引込線の貨車にスプレーす *連作E・埋立地にて‐1/3

□平成21年12月21日
buchimaru
☞ ☞ 金星探査機に搭載の歌…… 灼熱の星に嘉されわが命君が命と一に熔けん [ルビ⇒ 嘉:よみ/一:ひとつ]

□平成21年12月13日
buchimaru
☞ ☞ 軒低き工場地帯に月冷えて 錫いろの猫 岸辺に還る *連作D‐3/3

□平成21年12月13日
buchimaru
☞ ☞ 無蓋車の地図を軋ませ廻りゆく吾が王領に落ちくる空よ *連作D‐2/3

□平成21年12月13日
buchimaru
☞ ☞ 朝の夢も運搬船も雨粒も埋め 運河は獣皮のうねり [ルビ⇒ 埋:うず] *連作D‐1/3

□平成21年11月10日
buchimaru
☞ ☞ まなざしの星に届くも飛魚は明けゆく海へ人知れず墜つ

□平成21年10月07日
buchimaru
☞ ☞ 石畳うねる小道に濁水を滑らす きみの喉のあの線 *連作C・谷中霖雨‐3/3

□平成21年10月07日
buchimaru
☞ ☞ 雨夜なる猫の集いは ことさらに真中を空けて低く咳く [ルビ⇒ 真中:まなか/咳:しわぶ] *連作C・谷中霖雨‐2/3

□平成21年10月07日
buchimaru
☞ ☞ 通り名の由来は忘れ 六阿弥陀 霧とmuskの交わり匂う *連作C・谷中霖雨‐1/3

□平成21年09月27日
buchimaru
☞ ☞ 母猫の思惟澄みわたり生き死にも時間も消えてただ子を舐める

□平成21年09月24日
buchimaru
☞ ☞ 秋空は玻璃の墓石 返礼にロゼを垂らさる それが夕焼け *連作B・逝きしulaへ‐3/3

□平成21年09月24日
buchimaru
☞ ☞ 裏路地にミルクを供え 吹く風の爽やかなるを厭いて帰る *連作B・逝きしulaへ‐2/3

□平成21年09月24日
buchimaru
☞ ☞ 円き眼に映る筋雲ふたまたに ただ生きて病み排除し愛す *連作B・逝きしulaへ‐1/3

□平成21年09月23日
buchimaru
☞ ☞ 青き蝶狙う猫の眼藁のごとく暗渠の路地は密かにひずむ

□平成21年09月23日
buchimaru
☞ ☞ 太針の痛み去りしか付添の吾が手を探りやがてねむれり

□平成21年09月23日
buchimaru
☞ ☞ 腕のなか人工血管走りおり 圧するなかれ若きナースよ

□平成21年09月22日
buchimaru
☞ ☞ 移動する冥い水たち ほとばしる古地図の至福 遥かなカーヴ *連作A‐3/3

□平成21年09月22日
buchimaru
☞ ☞ 暗渠から漏れる音色をてのひらで塞ぐとそれは乳房のかたち *連作A‐2/3

□平成21年09月22日
buchimaru
☞ ☞ むかし川だった小道が君の腕にできて僕はそこを行き交う *連作A‐1/3

□平成21年09月22日
buchimaru
☞ ☞ 大正風短歌・性愛篇…… 故しらぬ慾情つのりて裸身の四つに這ひたる汝を足蹴る [ルビ⇒ 慾情:おもひ/裸身:はだかみ/汝:なれ]

□平成21年09月22日
buchimaru
☞ ☞ 大正風短歌・冬の朝篇…… しののめの雪つむ原の海霧に溶けゆく緩急車灯きみと凝視めぬ [ルビ⇒ 海霧:うみぎり/緩急車灯:ランプ/凝視:みつ]

□平成21年09月22日
buchimaru
☞ ☞ 大正風短歌・秋の夕篇…… 夕まぐれ童のごとく山門のどんぐり拾ふ吾妹かなしも [ルビ⇒ 童:わらべ/吾妹:わぎも]

□平成21年09月22日
buchimaru
☞ ☞ 大正風短歌・夏の夜篇…… こてえぢに女の啜り泣ける夜は鈴虫さへも黙してありぬ [ルビ⇒ 女:をみな/夜:よ/黙:もだ]

□平成21年09月22日
buchimaru
☞ ☞ 大正風短歌・春の昼篇…… ゆきやなぎ午睡の街ににほひ淡く翡翠のtasseに汝が唇は映ゆ [ルビ⇒ tasse:タス *カップのこと /汝:な/唇:くち]

□平成21年09月22日
buchimaru
☞ ☞ 君の 犬歯 闇に きしり、 魚肉 呑まれ 薫る。 搾取。至福。酔夢。赤裸。葬具。 渦に 揺られ 温き 底へ。 *胤を搾取されたひとへ(仮託返歌)

□平成21年09月22日
buchimaru
☞ ☞ 翡翠。 この字を 左手で 白紙に書く。 産みたての 骨組の きしむ音に 耳澄まし。 *万葉冒頭歌のリズムで……「音」は、neと発声してください。

□平成21年09月22日
buchimaru
☞ ☞ 海原を瑠璃の路面電車のすべりゆき轢死現場は甘藻にうもる [ルビ⇒ 路面電車:トラム]

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